英国ラン協会(Orchid Society of Great Britain) 3月例会

今日はラン協会月例会の日だった。トークはOrchid Conservation Internationalのフィリップ・シアトン氏。ランの保護について、スライドを見ながら、マダガスカルとコスタリカの例を挙げながら話してくれた。

印象深かったのはマダガスカルのランの話。キュー植物園からの依頼で、マダガスカルに飛び、そこでアングレカムの調査をしたのだそうだ。対象はAngraecum longicalcar。全島で、自生していたのは24個体のみ=全世界で、24個体のみ、ということである。

数が減ってきた原因として、①焼畑をするとき、一緒にランも死んでしまうこと、②大理石原石に着生していて、大理石を採石するときに一緒にランが死んでしまうこと、③ラン泥棒がいること、の3つがあげられた。

また、コスタリカでは1940年当時は国土ほぼ全域が森林だったのが、87年にはほんの2割くらいまで減ってきている様子がスライドで映し出された。

これらのことを踏まえて、いくつか提案があった中の一つが、種を採取し、まくこと。もしも自分たちでできないのなら、種子をこちらまで送ってほしいとのことであった。

トークはそういう形で終わったのだが、そこで会長から、日本での簡単な栽培方法が紹介された。コーンフレークの空き箱を使うというものなのだが、誰かご存知の方がいれば是非お知らせください。

5 thoughts on “英国ラン協会(Orchid Society of Great Britain) 3月例会

  1. マダガスカルは以前行きました。それからもう6年以上が経っています。現地もだいぶ変わってきているんでしょうね。そのときも焼畑で蘭の自生地が少なくなっているという話は聞きました。こうして貴重な自然が失われていくのは本当に残念です。
    今、IUCN(国際自然保護連合)のOSG(ラン部会)というところでは蘭の保護、保全・回復の研究をしています。そこではいわゆる「植え戻し」に関する研究やガイドラインを作っているそうですが、「植え戻し」も一つ間違えるとかえって自然や環境破壊につながるようで難しいみたいです。私のHPのリンクコーナーに斉藤亀三先生のサイト(「世界の植物」)に詳しく載っていました。

  2. 続けて書こうと思っていたら間違えて送信ボタンを押してしまったようです。
    コーンフレークの空き箱による栽培ですか。聞いたことないですね。

  3. ああ、Peacewoodさんはマダガスカルに行かれたんですね! ペルーしか目が行っていませんでした(笑)。また読ませていただきますね。

    「植え戻し」もなるほど、難しい問題をいろいろと抱えていそうですね。コロンビアでしたか、自生ランの数が極端に減っているようで、そこにイギリスはジャージー島にあるエリック・ヤング蘭協会(Eric Young Orchid Foundation)が、植え戻しをしたと聞いていますが、どういう形でやったのか、興味がありますね。
    http://www.ericyoungorchidfoundation.co.uk/

    コーンフレークの空き箱によるラン栽培。うーん。やはりご存知ないですか? それは残念。

  4. こんばんは。
    綺麗なアロマティカが咲きましたね~
    いい花ですよ、セパルとペタルがこれほど
    色が違っているのは始めてみました。

    ランの数が減ってきていると言うのは良く耳にしますけど
    悲しい事ですね、焼畑は生活がかかっている事ですから
    何も言えませんけどラン泥棒と言うのは、買う方が
    居るから採取をするんですよね、こういうランの
    一部が知らないうちに私の手元にもあるかもしれないと
    考えると趣味家として複雑な気持になりますね。

  5. 佐藤さん、こんばんは。
    Peacewoodさんもおっしゃっていましたが、アロマティカ、
    普通はセパルとペタルの色、もっと似ているそうですね。
    これからはその辺、もっと注目してほかのアロマティカ、観察してみます。
    昨日、少しデッサン開始しました。明日はもっと時間をかけて描くつもりでいます。

    ランの数の減少だけではなく、自然がどんどん減ってきていること、化学品が
    どんどん使われて来ていること、世の中、便利になってきてはいるけれども、
    いつの日にか、しっぺ返しが来るかも…なんてこと考えたりもしています(苦笑)。

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