ペルーへの旅・11日目 No.11

ラオロヤからリマに向かう道路は国道20号線だ。これは幹線道路で、大型バスも通れば、一般乗用車も通る。大型トラックも通れば、タクシーも通る。それがみんな片側1車線のこの国道を利用するのだ。

しかも、この道はフニンあたりの平原を行く道ではない。4800mのアンデス高地から海に面したリマまでを結ぶ道だ。山岳地帯はカーブが多い。勾配も急だ。当然、大型車の運転はゆっくりになる。その後ろについた普通車は、その大型車を追い越したくなる。

そこに登場するのがパトカーだ。

ペルーのパトカーはおもしろい。タルマ、ワサワシ、サンラモン、パルカあたりをタクシーで通ったときに、何度かパトカーに止められた。一瞬、パスポートを見せろとでも言われるのかと、どきっとしたが、確認するのは、わたしたちのパスポートではなく、運転手の免許証だった。そして、何かと賄賂を渡す場面が登場するらしい。セサもサウルも笑って、そう言っていた。 

そういえば、ペルーでは、賄賂を悪いことだとは考えていないと、何かで読んだ気がする。

話が脱線した。この国道では、山岳地帯を通過するときに、普通車が大型車を追い越したくなる場面が数多くある。当然、カーブの場所が多い。カーブだから見通しはきかないし、危険だからと、道路に追い越し禁止のマーキングはある。それでも追い越したくなるものらしい。

あるとき、セサも前を行く大型トラックを追い越そうとした。場所はカーブの手前。追い越しをかけようと、車を中央のラインから半分ほど出したときに、サウルが、待った!をかけた。あわててセサは車を元の車線に戻す。対向車は来なかった。なんだ、行けたか…と、そう思ったときに、前に現れたのは、なんとパトカーだった。カーブを越えたところで見張っていたのだ。

まずは免許証を確認。それからセサは車の外に呼び出された。「いやあ、なんとかなるよ」と、小銭を持って出て行ったが、なかなか戻ってこない。これはまずいことになったのかな…と心配し始めた頃、戻ってきた。

何があったのかはわからないが、別に賄賂を渡すこともなく、免停になるということもなかったそうだ。きっと、車体を半分、対向車線側に出したものの、実際には追い越さなかったからだろう。その後、セサの運転が慎重になったのは、言うまでもない。そのあとも何度かパトカーが隠れているのを見たから、あそこでお灸をすえられたのは、きっとよかったことに違いない。

2 thoughts on “ペルーへの旅・11日目 No.11

  1. 私たちもTarmaに向かう国道でパトカーに止められましたよ。追い越し禁止のところを追い越したのが原因のようでしたけど、賄賂で決着したみたいです(笑)。

  2. ハハハハハ。おかしいですね。毎日、いたるところでパトカーが待っていて、賄賂をもらっているんでしょうね。たった10日ほどのタルマ近辺滞在でしたが、止められたのは5回よりは多かったですよ。

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