お手伝い

先週、仕事から帰ってみると、留守電にオークリー博士からのメッセージが入っていた。夜9時を回ってはいたが、その翌日も翌々日も、帰りは遅くなるので電話してみると、なんと、翻訳の手伝いを頼まれた。

東京ドームショーのあと、石川県に行って、ランを求めてペルーを訪れた際の話をするのだそうである。その時にPowerPointを使って、たくさんの写真を紹介するのだが、その英語の説明部分を訳してくれという話だった。

ほんとは、ここのところ忙しいので、じゃ、とにかく内容を見てから返事すると言うにとどめ、土曜日に、ラン協会の集まりで写真を見せてもらったが、なつかしいペルーの写真、わたしはまだ見ぬ地域の写真、200年前のイラスト、ペルーのインディオの家の中の写真など、興味深い写真が次から次へと出てくるので、これは忙しいなんて言っていられない。ほかのことは後回しにしても、こちらはやってみたい…と、引き受けてしまった。

話を聞けないのは残念だけど、その時に使うファイルを、ほかの人たちよりも一足先に見る機会を得たのは、ラッキーと言えるかもしれない。

ハイグローブ邸の花譜(The Highgrove Florilegium)---チャールズ皇太子の花譜・その4

いよいよハイグローブ邸の花譜が来年早々に出版されるそうである。革装大型本で、2巻で1セット。175部限定。それぞれに解説がつき、チャールズ皇太子がサインをするそうである。

今、申し込めば、1セット£9500.約250万円なんだそうだ。出版されてからだと、もう少し値が上がるので、買うのならば今。月賦もあり。関心がおありの方はお知らせください。ちなみに、わたしの絵は第一巻。61点の絵のうちの6点目に掲載されるそうだ。

だが、正直なところ、値段を聞いて飛び上がった。わたしは残念ながら入手不可。 こんな感じの本になるそうだ。

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これに伴い、まずはニューヨークで、1月23日から4月12日まで展覧会が開催される。1月24日の6時から8時までは、内覧レセプション。もしもニューヨークに行かれるという方がおありでしたら、是非のぞいて来て下さい。入場無料。

Watercolors From The Highgrove Florilegium—–Botanical Paintings from the Garden of HRH The Prince of Wales

場所: New York School of Interior Design, 170 East 70 Street, New York, New York 10021

ホームページ: www.nysid.edu

RHS London Show (November)

RHS(Royal Horticultural Society・英国王立園芸協会)主催のロンドンショーが、今日、あすと行われている。去年の8月から9月にかけて、2週間ペルーに行ったときに見たランの絵を、ようやく描き終え、とりあえず、バックグラウンドつきのものを2枚。それに6枚のランの絵を加えて、出品した。

驚いたことに、Gold Medal(金メダル)受賞。全く期待していなかったので、ただひたすらびっくりしてしまったが、審査員のコメントを聞いて、実感がわいてきた。

初めてのアメリカ・最終日

9月30日(日)。
アメリカ滞在最終日である。
フライトは午後5時だったので、午前中は遊べると思っていたが、博物館も美術館も開館時間が午後1時だったので、回れなかった。代わりに、ホテルのある(そしていくつかの大学がある)ピッツバーグの文教地区オークランドや、その隣の地区を歩き、5番街を通ってホテルに戻ってきた。

その道々で見たもの。

resize1549.jpg ハロウィーン用グッズであふれるお店。

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オークランドの中心近くにあったビル。5番街の向かいにある教会が見事に映っていた。

ホテルまで戻ってきてから、今度は、目の前にあるCathedral of Learning(学びの大聖堂)という建物の中に入った。これはピッツバーグ大学のメインの校舎だそうで、「42階建て、高さ約160メートルのゴシック建築のビルで、教育機関の建物としては世界第2位、全米1位の高さを誇る」とウィキペディアに記述がある。

おもしろいのは、そのビルの1階と3階にあるNationality Rooms。日本の部屋。オーストリアの部屋。イスラエルの部屋。インドの部屋・・・と、いろいろな国の特徴をとらえた部屋があり、実際にそれを教室として利用しているのだそう。ただ、その中で教える学科は語学に限るわけではないらしい。日本の部屋には解体新書とか、お茶の道具とかが置かれていた。

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resize1553.jpg これはオーストリアの部屋だったか。

42階建てで、36階は、かなり狭まってきて部屋はいくつもないのだが、東西にある窓からピッツバーグ市を見下ろすことができる。 折角だから…と一人でエレベーターに乗って行ってみた。

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東の窓からは、泊まっていたホテルが真下に見え、はるかかなた(といっても3マイル。5キロの距離だが)に前日に行ったピッツバーグのダウンタウンの高層ビル群が見える。

36階には誰もいなかった。折角だからと一人でエレベーターに乗ってきたものの、今はロンドンにいて、高いビルといっても、せいぜい5階か6階までしか行ったことがないので、36階まで行くというのは、実はかなり怖かった。エレベーターに乗ること自体、内心は避けたくなっていたので、ここでちょっと下へ降りる階段をさがしてみた。あるにはあるんだろうけれど、鍵がかかっているようだったし、一人でわけのわからない階段を探して降りるのも、これまた怖いと、最後には覚悟を決め、再びエレベーターのボタンを押した。

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フライトは5時だったけれど、余裕を見て、ホテルを1時半に出、ピッツバーグ空港着。まずはチェックイン。そして荷物を預ける。普通、日本ー英国間を移動するときには、預ける荷物には鍵をかけ、ベルトで巻く。今回は、どこかのサイトで、鍵をかけておくと、その鍵を壊してまでも中身を点検することがあるというのを読んでいたので、係りの人に聞いてみると、やはり鍵はだめとのこと。ここで鍵を外し、ベルトだけにした。(最終的に、ベルトはなくなっていた)

そのあとセキュリティーチェック。持っていた機内持ち込み手荷物はリュックだけで、それを、脱いだ靴とともに、X線装置のコンベアに乗せ、自分自身も金属探知機を通過する。これはいつも嫌なものだ。思いがけないことでアラームが鳴ったりする。幸い今回も鳴らなかった。鳴らなかったのに「こっちへ来て」と呼ばれ、ボディーチェックをされる。「あなたの荷物は?」と聞かれ、「あれ」と指差すと、リュックも開けて手で点検。どうして?

係りの人に「何だか逮捕されたみたいで嫌だなぁ」と言うと、「いやいや、そんなんじゃない、ほら、ここに印があるでしょ、この印がある人はチェックしなければならないんだ」と、わたしのチケットを指し示す。そこにはSSSSと、確かに書いてあった。

なあるほど。だから来るときも、どこだったかでボディーチェックされたのかな。

ロンドンに戻ってきてから、友人に聞いた話では、問題は姓名にあるようだった。そういえば、職場で自動的に与えられたeメールアドレスは、苗字+名前の順で、hashim@XXXX.XXなのだが、わたしは実はそれがとても気に食わない。イスラム系の名前にとてもよく似ているからだ。 そして今回のSSSS騒動も、どうもこの辺に原因がありそうだった。

友人は苗字も名前も違うものの、ローマ字で書くと、hashimまでは一緒だ。そして、彼女はよくアメリカに行くが、行くたびに、チケットにはSSSSのマークがつき、必ずボディーチェックされると言っていた。

ということは、わたしも、今後アメリカに行くたびに、SSSSはついて回り、そのたびにボディーチェックをされるということなのだろう。なんだか考えただけでうんざりしてしまう。

初めてのアメリカ・4日目

9月29日(土)
今日は快晴。丸一日、観光に費やすことにした。だから朝ものんびり。毎朝、コーヒーとオレンジジュースをたっぷり。そして、お皿いっぱいのフルーツにヨーグルトを少しかけたものと、小さいゆで卵を一つ、トーストを1枚食べていたのだが、今日は目の前で焼いてくれるおばさんにオムレツを作ってもらうことにした。中に何入れる?と聞かれ、目の前に用意してあるいくつものボールの中から、タマネギと、ピーマンと、マッシュルームと…といくつも選んで入れてもらった。 とてもおいしかった。

ホテルがあるところはカーネギー・メロン大学やピッツバーグ大学、その他の大学、そして大学付属の博物館や美術館のある、ピッツバーグ市内の中でもオークランド地区と呼ばれる一画だ。そこからピッツバーグのほんとうの中心地、ダウンタウンまでは3マイル。約5キロ離れている。最初の日の真夜中にタクシーの窓から高層ビルの立ち並ぶきれいな夜景を目にしてはいたが、今日はそこに行くことにした。

実際に歩いてみると、道路の造りの整然さを実感することができる。道路は縦横にはりめぐらされていて、縦の道路がアヴェニュー、横の道路はストリート、それもアヴェニューは、ファースト・アヴェニュー、セカンド・アヴェニュー…ときちんと並んでいるので、街の構造をつかみやすい。はぁ、このフィフス・アヴェニューをまっすぐ歩いていったら、いずれはホテルの近くに戻れるのね?って感じでおもしろい。

アメリカの食事はまずいと聞いていたのだけれど、これまでは意外とおいしかった。だが、この日ダウンタウンで『カニ』に惹かれて入ったレストランで、初めて、ああ、これはファースト・フードだと気がついた。わたしが選んだものは…まずかった。まずかったから、残したのだけど、そうすると、ウェイトレスが「お持ち帰りになりますか?」と聞いてきた。アメリカでおもしろいなと思ったのは、この「お持ち帰り」のシステム。イギリスでは、食事が食べ切れず、持って帰りたい時には、こちらから「ドギーバッグに入れてくれ」と頼まなければならない。ドギーバッグというのは、doggy bag、すなわち、ワンちゃん用のバッグである。頼むときも、ちょっと気が引けたりする。

ところがアメリカでは…というか、わたしのほんの数日のピッツバーグの経験では、ほとんどの場合、向こう側から、持って帰りますか?と聞いてくれる。ホテルでさえも、朝食用のコーヒーポットを持ってきてくれたときに、発砲スチロール製のフタつきカップを用意してくれ、残ったのは入れていきなさいって言ってくれた。(しなかったけど) 日本でだったらどうだろう? 残ったものは残りっぱなし。持って帰るとは言わないだろうなと思う。

ただ、このシステムもよさそうでありながら、常に何かを食べ、何かを飲むという状態へ拍車をかけることになるのかもしれない。アメリカで肥満が問題になっているが、これもその一因なのかもしれない。

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