9月30日(日)。
アメリカ滞在最終日である。
フライトは午後5時だったので、午前中は遊べると思っていたが、博物館も美術館も開館時間が午後1時だったので、回れなかった。代わりに、ホテルのある(そしていくつかの大学がある)ピッツバーグの文教地区オークランドや、その隣の地区を歩き、5番街を通ってホテルに戻ってきた。
その道々で見たもの。
ハロウィーン用グッズであふれるお店。
オークランドの中心近くにあったビル。5番街の向かいにある教会が見事に映っていた。
ホテルまで戻ってきてから、今度は、目の前にあるCathedral of Learning(学びの大聖堂)という建物の中に入った。これはピッツバーグ大学のメインの校舎だそうで、「42階建て、高さ約160メートルのゴシック建築のビルで、教育機関の建物としては世界第2位、全米1位の高さを誇る」とウィキペディアに記述がある。
おもしろいのは、そのビルの1階と3階にあるNationality Rooms。日本の部屋。オーストリアの部屋。イスラエルの部屋。インドの部屋・・・と、いろいろな国の特徴をとらえた部屋があり、実際にそれを教室として利用しているのだそう。ただ、その中で教える学科は語学に限るわけではないらしい。日本の部屋には解体新書とか、お茶の道具とかが置かれていた。
これはオーストリアの部屋だったか。
42階建てで、36階は、かなり狭まってきて部屋はいくつもないのだが、東西にある窓からピッツバーグ市を見下ろすことができる。 折角だから…と一人でエレベーターに乗って行ってみた。
東の窓からは、泊まっていたホテルが真下に見え、はるかかなた(といっても3マイル。5キロの距離だが)に前日に行ったピッツバーグのダウンタウンの高層ビル群が見える。
36階には誰もいなかった。折角だからと一人でエレベーターに乗ってきたものの、今はロンドンにいて、高いビルといっても、せいぜい5階か6階までしか行ったことがないので、36階まで行くというのは、実はかなり怖かった。エレベーターに乗ること自体、内心は避けたくなっていたので、ここでちょっと下へ降りる階段をさがしてみた。あるにはあるんだろうけれど、鍵がかかっているようだったし、一人でわけのわからない階段を探して降りるのも、これまた怖いと、最後には覚悟を決め、再びエレベーターのボタンを押した。
*****
フライトは5時だったけれど、余裕を見て、ホテルを1時半に出、ピッツバーグ空港着。まずはチェックイン。そして荷物を預ける。普通、日本ー英国間を移動するときには、預ける荷物には鍵をかけ、ベルトで巻く。今回は、どこかのサイトで、鍵をかけておくと、その鍵を壊してまでも中身を点検することがあるというのを読んでいたので、係りの人に聞いてみると、やはり鍵はだめとのこと。ここで鍵を外し、ベルトだけにした。(最終的に、ベルトはなくなっていた)
そのあとセキュリティーチェック。持っていた機内持ち込み手荷物はリュックだけで、それを、脱いだ靴とともに、X線装置のコンベアに乗せ、自分自身も金属探知機を通過する。これはいつも嫌なものだ。思いがけないことでアラームが鳴ったりする。幸い今回も鳴らなかった。鳴らなかったのに「こっちへ来て」と呼ばれ、ボディーチェックをされる。「あなたの荷物は?」と聞かれ、「あれ」と指差すと、リュックも開けて手で点検。どうして?
係りの人に「何だか逮捕されたみたいで嫌だなぁ」と言うと、「いやいや、そんなんじゃない、ほら、ここに印があるでしょ、この印がある人はチェックしなければならないんだ」と、わたしのチケットを指し示す。そこにはSSSSと、確かに書いてあった。
なあるほど。だから来るときも、どこだったかでボディーチェックされたのかな。
ロンドンに戻ってきてから、友人に聞いた話では、問題は姓名にあるようだった。そういえば、職場で自動的に与えられたeメールアドレスは、苗字+名前の順で、hashim@XXXX.XXなのだが、わたしは実はそれがとても気に食わない。イスラム系の名前にとてもよく似ているからだ。 そして今回のSSSS騒動も、どうもこの辺に原因がありそうだった。
友人は苗字も名前も違うものの、ローマ字で書くと、hashimまでは一緒だ。そして、彼女はよくアメリカに行くが、行くたびに、チケットにはSSSSのマークがつき、必ずボディーチェックされると言っていた。
ということは、わたしも、今後アメリカに行くたびに、SSSSはついて回り、そのたびにボディーチェックをされるということなのだろう。なんだか考えただけでうんざりしてしまう。