今から約200年前に、ペルーとチリを訪れ、数々のランをはじめとする植物、そして動物や文化、習慣などを記録したスペインの植物学者ルイス(Ruiz)の日記によると、Masdevallia unifloraのことをケチュア語でリマリマ(rima rima)と呼んでいたのだそうだ。これはそのマスデバリア・ユニフローラ(=リマリマ)の白い花ヴァージョン、マスデバリア・リマリマ(アルバ)である。
パルカのナーサリーまでは、サウルと2人で、タクシーに乗って行った。10キロほどの道のりを10ソル。330円くらいか。着くと、なんと、ナーサリーの、木でできたテーブルの上には豚が…。解体作業の真っ最中。頭はすでに切り離されて、別のところにおいてある。描きたいランはいくつもあって、早く描かねばならないというプレッシャーが重くのしかかってきているのだが、屠殺されたばかりの豚が、目の前にあると思うと気持ちが落ち着かない。
薪を切りだしたのかと顔をあげると、相手は木ではなく、豚の頭だった。
帰りは、コレクティボというタクシーに乗る。これは、スペースがある限り、合図してきた客を乗せ、希望のところまで連れて行くしくみ。タクシー側にすれば、売り上げが増え、客にしてみれば、待ち時間も少なく、しかも割安になるという一石三鳥。わたしとサウルが後部座席に乗っていると、手をあげてきた女の子2人にタクシーが止まった。後部に1人、助手席にもう1人が乗るのかな?と思って見ていると、その女の子2人は、なんと助手席に抱き合うようにして乗り込んだ。びっくり。
こうして、タルマ-パルカ間のタクシー代は、帰りは、行きの約3分の1の3ソルになったのである。
ペルー3日目に、一番見たかった花、Masdevallia unifloraをワサワシにて発見、昨日はそこにスケッチをしに行ったが、植物画にできるほど細かいところまで記録することができなかった。そこでほかのランも見たいというはやる気持ちを抑え、ペルー5日目は、パルカのナーサリーに戻ってスケッチに専念することにした。Masdevallia uniflora, Oncidium bicolor, Oncidium aureum, そして、自生しているのをまだ見てはいないが、Phragmipedium caudatum.
写真はMasdevallia uniflora. ワサワシで11月に行われるお祭りでは、このマスデバリア・ユニフローラがいたる所に飾られるという。