アーティスト・イン・レジデンスをしている王立内科医協会(Royal College of Physicians, RCP)での展覧会の日取りが(ほぼ)決まりました。7月18日(月)から、8月15日までです。是非、お越し下さい。
絵は全部ケースの中に入れられ、標本や本、プリント類とともに展示されるようです。
アーティスト・イン・レジデンス 1
今、アーティスト・イン・レジデンスとして、毎週通っているところがあります。
王立内科医協会(Royal College of Physicians) http://www.rcplondon.ac.uk/medicinal-garden/Pages/Overview.aspx です。お医者さんの集まりですから、そこの庭は、薬草園になっています。ロンドンでは最古のチェルシー薬草園(イギリスでは2番目に古い。1番古いのはオックスフォードのものだそうです)を初めて見たときには、キュー植物園とか、RHSウィズリーの庭とかと比較してしまって、なんてかわいい庭なんだろう、まるで秘密の花園みたいだ・・・と思ったものでしたが、ここ、RCPの庭は、もっともっと小さいのです。
そこに、地域、あるいは薬草として使う部分ごとに分けて、XXX種の植物が育てられています。小さい分、行くたびに庭を隅々まで見ることができ、いろいろな薬草を覚えることができました。といっても、まだまだほんのわずか。これからは、関心があるものに関しては、主用成分とか、効能とかを勉強して行きたいと思っています。
展覧会・その後・・・
かなりご無沙汰してしまいました。
ここで、展覧会について少し書いておこうと思います。
1)
去年の10月に京都の二条城で開催されたハイグローブ植物画展ですが、その後、今年の2月に、今度は東京千代田区の丸ビルにて開催されました。のちほど、写真を貼っておきます。
2)
その展覧会より少し前から、5月9日まで、同じくハイグローブの植物画原画展が、今度はオランダはアムステルダムの Teylers Museum (Haarlem, Amsterdam)にて開催されました。
(1月30日~5月9日 http://www.teylersmuseum.eu/)
東京丸ビルの展覧会にはちょっと行けないけれども、オランダはお隣の国なのだから、是非行きたいものだ・・・と思い続けていましたが、その後、次に書く東京での展覧会のお話が来て、結局そちらに行くこととし、オランダは残念ながら、パスしました。これは残念。
3)
オランダの展覧会に行こうと思っていながら、結局パスしてしまったのは、東京はホテル・オークラで開催された植物画展に、思いがけなく、招待していただいたからです。これは、今年で11回目となる『10カ国の大使夫人のガーデニング』の併設イベントだそうで、去年に引き続き、現代植物画展は2回目なのだそうです。去年のカタログを、主催者のオランジェリーさんに送っていただき、見てみると、お名前を存じ上げている方、3年前のハントの展覧会(米・ピッツバーグ)や、過去のRHSの展覧会(英・ロンドン)、チャールズ皇太子の私邸、ハイグローブでお会いした方々が半分くらいいらっしゃって、なんだかなつかしい。里帰りするにもいい機会だし・・・ということで、参加させていただくことにしました。
「借りてきてもいいですよ」ということで、出品した絵は4枚。
・Magnolia x proctoriana ‘Robert’s Dream’
これは、RHS Head CuratorであるJim Gardiner氏所有の1枚。
わたしも知らなかったのですが、コブシによく似たタムシバ(Magnolia salicifolia 本州以南に自生とのことで、おそらく関西以西に自生するのではないかと思っているのですが、違うでしょうか?)と、シデコブシ(Magnolia stellata)との自然交配種で、岐阜県に自生しているそう。発見した「おぎすみきのり」氏が、70年代に働いていた有名なHemelrijk庭園(ベルギー)を所有するRobert de Belder氏にちなんで名前をつけたのだそうです。
・Brugmansia x candida ‘Blush’
こちらは、チェルシー薬草園フロリレジゥム協会(Chelsea Physic Garden Florilegium Society)所有のエンジェルズ・トランペットの絵。
2008年11月15日から、2009年3月15日まで、キュー植物園のシャーリー・シャーウッド・ギャラリーに展示され、その後、2009年9月12日から、11月8日まで、ニューヨークのブルックリン植物園で展示された1枚です。
・Masdevallia uniflora
2006年8月にペルーに行った際、一番見たい、是非描きたいと思っていたマスデバリア属の中の1つ。約200年前にスペインの植物学者がペルーとチリに遠征した際、発見したのと同じ場所で発見。
このペルー行きは、RHSのDawn Jolliffe Botanical Art Bursaryの最初の受給者ということで、緊張して出かけましたが、数多くの体験をすることができたし、また、このブログを開始するきっかけとなった旅行でした。
・Rosa brunonii
チェルシー薬草園の、ほぼ中央に君臨するように、夏に花をつけるヒマラヤ原産の野生種のバラ。去年の夏に1枚描き、今度は実を加えてもう1枚描こうと、デッサンを済ませていたものを、このお話が来たときに描き始めたものの、うまく行かず、2枚は反故にし、3枚目でようやく最後まで描くことができました。日本へ向け出発する直前まで筆を握っていました。なんとか描き終えられて、ほっ!
写真はのちほどアップしたいと思っています。ごゆっくりお待ちくださいませ。
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この日本行きは、出発する3週間ほど前に、アイスランドの火山噴火により、イギリスを含むヨーロッパ諸国の空港が、ほぼ1週間にわたり閉鎖されたために、一時はあきらめていましたが、落ち着いてくれて、結局問題なく、東京へ行くことができました。会期は5月1日から5日まで。その最終日になって、再び火山灰でスコットランドの空港が閉鎖されたというニュースが入り、またまたちょっとドギマギしましたが、予定通り、無事に帰国することができました。(しかも、ビジネスクラスにアップグレードしてもらいましたっ!)
今後はしばらく、ここロンドンで静かに、絵を描くことに専念しようと思っています。
チャールズ皇太子の花譜・No.12
2008年に、まずはニューヨークで開催された、チャールズ皇太子の私邸・ハイグローブの植物の植物画原画展。その後、ロサンジェルス、そして2009年になってからは、9月初旬までロンドンで開催されていた原画展ですが、今月からは、原画ではなくリトグラフであるものの、日本にて開催されるそうです。お近くの方は是非、足をお運びください。
THE HIGHGROVE FLORILEGIUM IN KYOTO
ハイグローヴ植物画集 展覧会
~チャールズ皇太子殿下が愛でる私庭の花々~
期間: 2009年10月9日~20日
場所: 京都 世界遺産・二条城、非公開の重要文化財「台所」にて特別展
主催: 京都市、ハイグローヴ植物画集展実行委員会
Exhibition 展覧会について
展覧会では額装したリトグラフを約40点展示します。
前期・後期で全作品を入れ替えますので、のべ約80点が観賞できます。
また、オーディオルームではハイグローヴのビデオ上映などもいたします。
新着情報はホームページをご覧ください。
ハイグローヴ植物画集展 公式ホームページ
http://www.highgrove-kyoto.com
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この展覧会、来年2月には東京展も開催されるそうです。
期間: 2010年2月15日~21日
場所: 丸ビル『マルキューブ』 東京都千代田区丸の内2-4-1
ニューヨークでは……
初のニューヨーク。ニューヨークでは5泊しましたから、まずは観光を楽しみました。
初日には、宿泊先のAffinia Manhattanというペン駅すぐのホテル(7th avenue沿いで、31 streetと32 streetの間にある。この仕組みと方向感覚は最後のほうでようやくつかめてきたかなという感じでした。まぁ、とにかく…)のフロントの若い男性に聞いて、メトロポリタン美術館まで歩いていくことにしました。まずは7番街から5番街まで行き、それから5番街をずっと北上するというコースです。ちょうどエンパイヤステートビルの横を通ります。前日に、JFK空港からマンハッタンに入ってからというもの、ずっと驚いてきたことですが、とにかく、ビルが高い! 最近の新宿は行っていないけど、ロンドンはビルが低いので、その分空が広いのですが、ここニューヨークでは、地上からビルを見上げると首が痛くなるほど。それも、そういうビル群の中にいるので、どこもかしこも、首の痛くなるビルだらけ。これはおもしろい経験でした。(空はあまり見えない。けれども青空だと、その青色がビルのガラスに反射して、まぁ、きれいなこと、きれいなこと…)
こうやって5番街を32番通りあたりから北上したのですが、その、ホテルの若い男性は徒歩40分くらいって言ったのだけど、実際にはもっとかかりました。これは若さの違いだったのかもしれません。
よく晴れた暑い一日でした。予定通り、メトロポリタン美術館に行き、そしてグッゲンハイム美術館に行き、そこから南下、フリック・コレクションを見てから、ゆっくりホテルに戻りました。帰りには7日間有効乗り放題のメトロカードというものを購入。初のニューヨーク地下鉄を楽しみました。
2日目には、自由の女神を見るべく、リバティー島に上陸。そのあと2001年の同時多発テロの現場、グラウンド・ゼロに立ち寄り、午後は買いもの。そして夜はエンパイヤステートビルからの夜景を楽しみました。
3日目が、今回の旅行の一番の目的であった、ロンドン・チェルシー薬草園植物画会(花譜会よりもいいかなと思いますが、いかがでしょうか?)の展覧会が行なわれているブルックリン植物園にて、ブルックリン植物園植物画会のメンバーと一緒にランチ、そのあと保管されている植物画を見せていただき、そして、夕方のレセプションというスケジュールでした。
ニューヨーク側のメンバー(=アーティスト)と知り合えたこと、ロンドン側のメンバーと海を渡った場所で会えたこと、そして展覧会…と、いいことはたくさんありましたが、わたしにとっての一番の収穫は、実はコブシ。
このブルックリン植物園には、案内書のすぐ外に、マグノリア・プラザという、マグノリア(各種モクレン)を20種類以上集めた一角があります。時は9月の中旬ですから、そろそろマグノリアの実が赤くなってきていました。その中に、大きなコブシの木(Magnolia kobus)があって、しかも、ピンクの実をいっぱいつけていたのです!!!!!
白い紙の上に、白いコブシの花だけを描いた絵があって、横目で見るたびに、うーん、実がほしいなぁ…と思っていたわたしは、思わず、実が落ちていないかと探し回りました。これでなんとか白いコブシの花に、紅い実を付け加えられそうです。
4日目には、グラウンド・ゼロに戻り、そこからウォール街へ。午後は、近代美術館を半日かけてじっくり見てまわり、夜はアメリカ植物画協会(ASBA)の展覧会のレセプション。
5日目は、夕方のフライトでロンドンに戻るために、午前中に、国連本部を訪れました。ほんとは東に向かうバスに乗るべきところを反対行きのバスに乗ってしまって、終点で待つ羽目にはなりましたが、同じバスで無事、国連本部にたどりつくことができました。初めてのニューヨーク。ちょっとだけ土地勘もできたし、次回は一人で行ってみたいものだと思っています。